花に潜って

三姉妹の話と、わたしの時間

双子を妊娠×悪阻で入院(4)悪阻の入院生活やいかに

悪阻で入院している間、何をしているのか。

吐いてばっかりで…と書きたくなるが、24時間吐いているわけではもちろんない。というか嘔吐している時間そのものは、一日4回嘔吐した日でも、1時間に満たないでしょう。あとの23時間は何してたん?という話です。

21時頃眠って5時頃起きる8時間睡眠で、のこり15時間。

つわりのピークだった6w~9wくらいは、もともと大好きなはずの音楽やラジオを聴くのも気持ち悪い。テレビをみるのもだめ。文字を追うのも気持ち悪いから本もだめ。外の景色を見るのすら気持ち悪い。スマホWi-Fiがないからほぼ使いものにならず(3ギガの契約でした)。もう、ほんとう~~にやることがない。でも唾液だけは毎分ぺっと吐き続ける。これは、このときはもう呼吸のようにきってもきれない行為となりかわっていたので、書くのを忘れそうなくらい。

ただ、ベッドの背もたれの傾斜をあげて、もたれかかって、じーっとしているだけだった。相部屋なので、カーテンを閉めて。カーテンのドレープと、布団のチューリップ模様のカバーを日がな一日眺めている。吐き気がずっとずっとずっと、身体のすみからすみまでにまとわりついている。それを感じながらただ耐えている。負荷まみれの瞑想みたいだ。

朝は主治医がきて、どう?と1分くらい話す。検温、血圧測定。点滴の交換が適宜あり、お手洗いだけはどうにか根性で徒歩で行き(歩く、という行為が吐き気のトリガーになって、戻るとたいがい吐いていた)、身体を清潔に保つためのホットタオルをもらって体を拭く。下着だけはなんとか毎日替えたけど、パジャマなどを着替えるのは3日に1回くらい。シャワー室は使ってもいいのだけど、ピークの頃は吐き気のあまりシャワーにいくことができない。スキンヘッドでない限り、頭はタオルじゃふけないので、美容院みたいな洗髪コーナーがあり、そこで助手さんと呼ばれるおばさんに洗ってもらっていた。それこそ美容院のように上を向いて洗えたらいいのだけど、その状況で吐き気が到来したら、吐瀉物が喉に逆流して危険なので、下を向いて。唾を吐き続けながら洗髪してもらっていた。入院しているベッドから洗髪コーナーまでは車椅子で移動していた。その50メートルもないであろう距離が、歩けないのだ。

つわりでも、仕事を続けているひともいるし、おうちで家事を続けるひともいる。が、わたしのそれは、もはや、歩くことすら困難なのだった。